最近充電インフラのニュースが少ないような気がする・・・
最近充電インフラのニュースが少ないような気がする・・・
電気自動車(EV)が世界で普及する一方、日本では近年「充電インフラ普及」のニュースを見かける機会が減っていると感じているのは自分だけでしょうか?
市場が成熟したわけでも、充電器が十分に整備されたわけでもない。
本稿では、表面的な「普及の遅れ」ではなく、普及がニュースにならなくなった理由を考えてみた。
1.補助金が成長の証ではなくビジネス化している
日本の充電インフラは補助金に大きく依存している。今年度の補助金は早期に枠を使い切っているが、必ずしも普及が進んでいるとは言えない。
- 補助金が尽きた=充電インフラ事業が成立している訳ではない
- 補助金を原資に設備を設置する事業者は、一時的な利益が目的
- 自己投資してインフラを増やす意欲は弱い
- EVの普及が進んでおらず補助金なしでは採算が取れないため、継続的な投資が生まれない
つまり、補助金の消化速度=普及の勢いに見えても、実態は「補助金で設置しただけ」のケースが多い。
2. 採算が取れない構造なのに補助金だけが消える矛盾
急速充電器は投資額が大きく、運営費(特に高圧契約の基本料金)が高額です。
多くのスタンドで稼働率が低く、採算が取れない状態にある。
因みに東京都は「充電設備運営支援事業」として維持管理費、電気料金(基本料金) 、土地の使用に要する費用 を補助しています
- 成立しない事業モデルなのに、補助金頼みで設備だけ増える
- 稼働率が低い
- 利益は出ない
- 維持費が高い
- しかし補助金で設置すれば設備投資は黒字化できてしまう
結果として、
持続的に広がる市場ではなく、補助金が尽きたら止まる市場になっている。
この状況は、ニュースにできないと思います。
3. 課金制度の議論は本質を外れている
時間課金から従量課金へ・・よく議論されるが、実は課金方式は本質的課題ではない。
- 本質は「制度コスト」と「利用者数の少なさ」
- 従量課金には計量法対応のメーターや特定計量に対応したシステムが必要
- 導入コストも運用コストも増える
- その分だけ電気料金を値上げ出来るのか?
- そもそも利用率が低いため回収不能にならないか?
- 公平性は必要ですが、ここでも補助金に頼る流れにならないか?
つまり、
課金方式を変えても赤字は赤字のままである。
計量法という日本の制度と対応するためのコストの議論に感じます。
4. 目標台数が「遅れている」のではなく「需要とズレている」?
国は2030年までに急速3万基を含む15万基を目標としているが、実態とは乖離している。
そんなに急速充電器は必要なのか?
- EVの航続距離が伸びた
- 日本人の平均移動距離は短い
- 自宅・職場などの基礎充電が中心
- 目的地での普通充電(3〜6kW)でほぼ足りる
つまり、
高速道路や経路のポイント以外はEVに乗り慣れてくると基礎充電と価格を比較できるようになり必要最低限の利用になる。
近年「150kW以上を増やすべき」という意見があるが、日本の利用実態や全車種が対応していない高出力急速充電器は贅沢品と思える。補助金使って国が設置を進める必要性があるのか?
普通充電器の高出力化も必要なのか?
配線から基本料金まで全て変更になる=欲しい人が自費で設置する充電器と考えます
- 1日の走行距離に必要な電力量は3kW普通充電で足りる
- 高出力は毎日直距離走る人のためのプレミアム
- 装置自体は部材とケーブルが太くなるだけの単純技術
- 限られたニーズのため高価=補助金対象にする必要性があるのか?
充電器設置コストも高価になり充電料金も高いサービスを利用するユーザーは遠方に滞在する旅館等の施設以外でどれだけ必要なのか?
因みに出力が大きいとダイナミックなエネマネができるのでPRにはなりますが・・
蓄電池併設や需要制御はコストばかり増える
補助金を使わないスマート充電・蓄電池併設は、運営側のメリットよりコストが大きい。実商用化に不向き
- 設置コストがさらに増大
- 運用保守も複雑化
- 赤字構造が深まるだけ
導入がするだけの補助金ビジネスになっている
10年以上前からハードもシステムも描かれていて特に進化していない感じです・・
5.テスラの規格問題は「問題ではない」
テスラは独自に全国へスーパーチャージャーを整備している。
民間私設インフラであり、他事業者が投資しているわけではない。
よって、補助金対象から外れていても市場への影響は小さい。
テスラオーナーはアダプターを用い補助金で設置したチャデモ充電器が利用でます。
(全機種の動作保証は?)
6.【まとめ】なぜニュースが消えたのか
ここまでの要素を整理すると、答えは明確だ。
派手なニュースになる要素が消えた
充電インフラ自体は特に難しいモノではない
儲かるビジネスではない
- 補助金依存で市場の自律性がない
- 現状は利用者が増えず事業性が確立しない
- 技術的ブレイクスルーもない
- EVユーザーの大半が基礎充電で満足してしまう
- 目標値が現実に合わず、施策も空回り
市場が静かに停滞し、メディアが取り上げる意味がなくなったのだ。
では今後どうするべきか
- 急速充電より“基礎充電の整備”を最優先すべき
- 高出力充電器は“需要者負担”へ切り分けるべき
- 補助金モデルから持続可能な商用モデルへ移行すべき
実はパブリック向けの充電サービスではないので、取り上げにくいのですが環境を意識している事業者は社用車や商用EVの導入を進めており、充電インフラも整備されています。
補助金が無いと動きは鈍くはなりますが普及に向けエネルギー問題をどう解決していくのかを考えながら進んでいえう市場もあります。
導入期の数を目標にした補助金モデルから普及した時に限られたエネルギーをどうやって作り利用していくのか?を考え、収益性があるビジネスモデルが登場すればニュースとして取り扱われると考えます。
目の前の制度や市場構造では大きな成長は期待しにくく、
今後の焦点は「普及に即した制度と技術に作り直せるか」にかかっていると考えます。
